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脱水・熱中症

症状・病気について

脱水・熱中症

脱水・熱中症

脱水症とは

脱水症とは、水や電解質といわれる、体内の塩分やカリウムなどのミネラルが体内から減っており、体の水分量が減ってしまっている状態です。

脱水症になると、全身に充分に血液が巡らなくなり、腎臓などの臓器の機能が低下します。また、食欲不振や頭痛・全身の倦怠感、筋肉から電解質が失われることで、脚がつったり、痺れが起こったりすることもあります。

人間の体液は子どもでは体重の約 70%、標準的な体型の成人男性で約60%、成人女性で約50%、高齢者で約50%と言われています。高齢者では、加齢による筋肉量の減少に伴い体液量が低下します。

人間は正常な状態で、1日に約2,500mLもの水分が失われます。飲食物から2,200mL摂取し、代謝される際に300mL程度が産生されることで水分の出納バランスを保っています。

熱中症とは、夏の暑い日や激しい運動、発熱などによる発汗量の急激な増加や、体温の調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態をいいます。屋外だけでなく家の中で何もしていない時でも熱中症になる場合もあり、注意が必要です。

特に高齢者は喉の渇きや暑さを感じにくくなり、暑いのにエアコンをつけずに過ごしたり、エアコンは体に悪いという間違った認識から、汗で水分を失ってしまったり、喉の渇きを感じにくくなるために水分摂取量が減ってしまったりして脱水を起こすと言われています。

脱水症の症状

症状としては、口の渇きや体のだるさ、立ちくらみなどを訴えることが多いです。皮膚や口唇、舌の乾燥、発熱などが起こります。また、食欲低下、脱力、意識障害、血圧低下、頻脈などが起こります。症状が進むと眼球の陥没、意識障害も見られるようになります。

熱中症の症状

熱中症の症状としては、めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返り、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感などが見られます。重症になるとけいれんや呼びかけに対して返事がおかしい、意識消失などが起こります。

脱水症の治療

軽い脱水症では、経口摂取が可能な場合は、電解質を含んだ飲み物(スポーツドリンクや経口補水液)を飲ませます。スポーツドリンクでは塩分(ナトリウム)が取れないため、味噌汁やスープ類を摂取します。脱水が重度の場合や、全身状態が悪く経口摂取ができない場合は、急速な治療が必要な場合には点滴注射を行います。

熱中症の治療

体を冷やして熱を下げ、経口補水液やスポーツドリンクの摂取をさせます。直射日光を避けて、クーラーや扇風機などがある涼しい場所へと移動。さらに体の中にこもった熱を下げるために、太い血管が通っている首や脇の下、足のつけ根に保冷材等で冷やします。

そのような処置をしても軽快しない場合は、早急に病院に受診してください。病院でも体温が高い場合は、冷却処置を行い、点滴で必要な水分と成分を補います。重症化の熱中症は、死亡率も高く、神経学的後遺症を残すこともあります。高熱やけいれんや呼びかけに対して返事がおかしい、意識消失などが起こった場合は、早急に病院に受診してください。