便秘
便秘は、多くの皆さんが経験のある状態と思います。慢性便秘症は、便が適切に排出されない状態ですが、排便回数、便の性状には個人差があり一概にすべての方が全く同じ基準であるとは限りません。毎日出る方、1日おきがいつものリズムの方もいます。糞便が十分に快適に排泄できない状態が慢性便秘症とされています。
便秘の原因ですが、大きく分けて、器質性と機能性に分けられます。器質性は、大腸が何らかの原因でせまくなり便の通りが悪い状態で、代表的な疾患では大腸癌等が考えられます。機能性は、何らかの原因で大腸の動き(ぜん動)が低下したり逆に亢進し、便の肛門に向かう進行が低下してしまうことなどがあります。糖尿病や甲状腺機能低下症などの疾患や種々の薬が原因となることもあります。
治療ですが、便秘の原因疾患がある場合は、その疾患に対する治療を行います。大腸の狭窄等がなければ、生活習慣の改善、内服治療などが行われます。規則正しい生活、適度な運動、食物繊維の適切な摂取などが重要です。内服治療は下剤ですが、便を柔らかくする薬、腸を刺激し排便を促す薬などがあり、症状、原因、排便の状況等により使用されます。
日常多くの方が経験する便秘ですが、原因には、大腸癌、糖尿病、甲状腺機能低下症など多くの疾患か隠れている場合がありますので、単なる便秘と思わず受診をお勧めいたします。