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糖尿病

症状・病気について

糖尿病

糖尿病

糖尿病とは糖を身体に取り込むために必要なインスリンの量が少なくなった(インスリン分泌不全)状態、またはインスリンの力が不十分(インスリン抵抗性)なことにより、持続的に血糖値が高くなる病気です。急激に血糖が上昇しない限り、自覚症状に乏しく、ゆっくりと全身の血管に負担をかけ合併症を引き起こします。

糖尿病を疑う症状

①口喝、多飲、多尿

血糖は浸透圧物質であるため、水を引き込み多尿となります。そのため喉が渇き、水を多く飲むようになります。

②手足のしびれ、便秘、下痢、頻尿、勃起不全、発汗障害

高血糖状態は神経細胞に変化をもたらし、手や足の先などにジンジンしたしびれを自覚することがあります。また、内臓や血管をコントロールしている自律神経にも障害をもたらすと、排尿障害や排便障害、勃起不全、発汗障害などが起きることがあります。

③むくみ

高血糖状態は腎臓に負担をかけ、尿に蛋白質が漏れ出てしまうことがあります。そのため血液中の蛋白質が少なくなり体が特にむくみやすくなります。その状態が続くと腎臓は荒廃し人工透析が必要になることがあります。

④その他

合併症である網膜症による症状は残念ながらかなり進行するまで症状はありませんので、糖尿病と診断されたら定期的な眼科受診が必要です。また、糖尿病は大きな血管にも影響を及ぼし、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしやすくなることがわかっています。

糖尿病の診断

糖尿病は血糖値に加え、赤血球の中にあるヘモグロビンにくっついている糖である糖化ヘモグロビン(HbA1c)、糖尿病の典型的な症状により診断されます。血糖値は時どきの食事により変動しますが、HbA1cは寿命が120日ある赤血球についた糖の割合をみるため過去1-2か月前の血糖値を反映するので短期間の血糖の影響をうけません。
血糖値、HbA1cとも糖尿病型の基準に適合して場合、または糖尿病の典型的な症状がある場合は血糖値のみが糖尿病型であれば1回の検査で糖尿病を診断されますが、それ以外は再検査を行い、2回以上の検査が必要となります。

糖尿病の治療

糖尿病の治療の基本は食事、運動療法です。適正なカロリーの食事(適正体重×25~30kcal/日、糖質55%程度)と適度な筋トレを入れた有酸素運動を基本とし、コントロールが困難な場合は薬物療法を併用します。
高血糖によりインスリン分泌が少なくなっている状態では、インスリンを使用し、糖毒性を解除することによりインスリンの力が改善することがあり、当院ではHbA1c 8.0%以上、随時血糖250㎎/dl以上の時は積極的にインスリン導入を行い、徐々にインスリン治療から内服薬へ切り替えをしております。
トレーニングを受けた専門看護師により外来でのインスリン導入も可能でありますが、合併症精査も含め1~2週間程度の糖尿病教育入院によりインスリン導入も行っております。
糖尿病治療は、昨今様々な薬剤が開発され、治療の選択肢が多くあります。働き盛りで頻繁に通院できない方から高齢者まで、各々のバックグランドや生活スタイル、年齢に合わせて治療方針を決定しております。

糖尿病治療の目的

糖尿病は自覚症状に乏しいため、放置しておいても痛くもかゆくもありません。その治療の大きな目的の一つは合併症を防ぐことであり、定期的な合併症精査を施行し、状態の把握を行いことが必要です。腎症が進行し末期腎不全になることを予防し、網膜症の進行による失明を予防し、動脈硬化進行による心筋梗塞、脳梗塞、下肢血管の閉塞を予防し、そして癌のリスクが高い場合には早期発見にもこころがけております。
合併症を防ぐためにはHbA1c7.0%未満にコントロールが大切であるとされております。
糖尿病はゆっくりと体をむしばんでいく病気です。当院では早期に治療介入を行い、合併症を予防するために、あまり無理をせず、途切れることのない治療を患者さんと一緒に考え、取り組んでいくことが大切であると考えております。